三浦春馬の歌を初めて聴いたのは、夏のFNS歌謡祭だったと思う。
彼がミュージカルに出演していることも知らなかったし、歌手としてデビュー曲を披露したのも意外だった。
俳優三浦春馬のイメージからは、それらは遠いものだったからだ。
初披露とあって、非常に緊張していたように記憶する。それが全体のパフォーマンスから受ける堅い印象に繋がっていたのを覚えている。
しかし、今回、ソロ曲や郷ひろみとのコラボを聴いて、その歌唱力に何の違和感もなかった。
歌手三浦春馬は、それまで私が抱いてきた線の細いイメージとは全く異なり、硬派で芯のしっかりしたイメージを抱かせるものだった。

この曲はアップテンポで非常に高音が繰り返される歌である。
彼の持ち声は、中・低音域は太めの音色の濃い歌声だ。高音域になるとそれがやや無色に近くなる。ハイトーンボイスのストレートな歌声になるのが特徴だ。

激しいダンスと共に歌っても息も乱れないのは、ミュージカルのステージで鍛えられている成果が発揮されている。
正直、彼がここまで歌って踊れるということが意外だった。

彼の歌手としてのしっかりした基盤は、郷ひろみとのコラボでも見え隠れする。
ハーモニーの構築においてその実力が発揮されている。

三浦春馬は俳優の域を完全に脱し、歌手として十分やっていけるだけの歩みを始めたのだと思う。


コラボのレビューは別記事で書きます。