優れた歌手達のコラボは、FNS歌謡祭の楽しみの一つでもある。

誰もが知る久保田利伸の代表曲「LALALALOVESONG」を3人で歌う。

たて刻みの軽快なリズムは、R&Bならではのもの。
微妙なリズムの揺れはそのまま音楽の揺れに繋がる。

三浦大知は冒頭の歌い出しでノリのいい子気味良いリズムを提供する。
彼のリズム感のいい言葉の処理がそのまま音楽の流れを作っていく。
JUJUの囁くような呟きは、ソフトな音質を提供して、この曲を下支えする。
常にリードする久保田利伸の歌声がハーモニーを作り上げているのは言うまでもない。

3人の一体感が見事だ。

伸びのある長いフレーズ、小刻みに動く短いフレーズ。
このどちらにも彼ら3人の歌は乱れることなく一体感を示す。

ソロパートではそれぞれが同じ音量と同じ歌い方で統一されている。
これは久保田利伸の歌い方を三浦大知とJUJUの二人が完全に踏襲した形を取っている。
ユニゾン部分では、ピンと張った三浦大知と久保田利伸の歌声に幅のあるJUJUの歌声が被さり、ハーモニーのような多重構造の響きを見せる。これは、男性と女性の複数のコラボならではの幅の広がりとも言える。

この曲に使われている歌声はストレートボイス。
張りのある歌声で一本の線を描くかのように3人の歌声が交錯していく。
リズムを刻んでもその音色は変わらない。

リズムが縦に刻まれて音楽が進む。
この縦刻みのリズムがR&Bの真骨頂だ。
3人は伸びたり縮んだりするリズムの中で、縦に音楽を刻み続ける。
これが音楽全体に軽快なリズム感を与え、スッキリとした音楽に仕上げていく。
縦に刻んで歌える技術。鋭角に切っていくテクニックがなければ、リズムは横に流れてしまう。
久保田利伸の特徴的な音楽をそのまま2人が継承していく。

圧巻だった。