たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

前半から続く)

情熱をコントロールできる冷静さ

三浦大知というアーティストの歌手の部分に目をやる時、私は彼の非常にバランスの取れた客観的歌唱力を感じることが多いです。ダンスという感覚の鋭いパフォーマンス力を持ちながら、歌の部分ではあくまでも冷静に非常にバランス感覚の良い歌を披露します。

歌手には主観的な人と客観的な人がいて、双方とも非常に魅力的ですが、三浦大知の場合は、常に歌との適切な距離感というものを感じさせるアーティストです。歌の中に感情を入れ込みすぎることはよくあることですが、彼の場合は、情熱を心の奥底に秘め、コントロールされた歌声でしっとりと歌い上げてくる歌手でもあります。

新曲「燦燦」で感じる、甘くストレートな歌声

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『世界でただ一人の存在になる』(三浦大知)人生を変えるJ-POP[第3回]|青春オンライン (note.com)