ジェジュンとジュンスの歌う『六等星』を別の韓国人ユニットがカバーしているというので、聴いてみた。
正直なところ、ハーモニーも日本語の明解度もこちらの方がよくわかると感じる。
このユニットは、キム・ミョンスとホ・ホン(ハニ)の2人組。
ミョンスは、1985年生まれ、ホンは1984年生まれ。
2人ともSMの練習生で、モデルやアイドルグループ活動を経て、2012年に一度日本活動を行うが、その後、グループが解散し、一旦、韓国へ帰国。
2015年6月に別のグループのメンバーで再来日。当初は5人組として新大久保で日本活動を開始し、国際フォーラムのイベントなどにも出演したが、2020年にグループが解散し、その後は2人で活動中とのことで、メジャーデビューはしていない。
この2人のカバーによる『六等星』を聴いた。
ジェジュンパートは、ミョンス、ジュンスパートはホンが担当している。
歌い出しからのミョンスの歌声は非常に流暢で綺麗な響きの歌声をしている。それほど幅がある歌声ではないが、綺麗な響きをしている。また、音程が非常に正確で一切ブレがない。ストレートボイスだが硬い響きではなく、艶のある音色をしている。また、伸びやかでもある。
これに対し、ホンの歌声は、ややハスキー気味の扁平な響きである。声の色全体の幅も太くない。色彩は濃くなく、どちらかと言えば無色に近い。
これがミョンスの歌声によく親和している。
2人の歌を聴くと、よく練習している、という印象を持つ。声の調和がよくできており、ソロパートからハーモニー、ハーモニーからソロパートへの転換の折の声の響きの幅が閉じたり開いたりするのがよくわかる。
ミョンスの歌声を芯にして、ホンの歌声が綺麗に調和している。また、その反対も然り。
さらに、日本語の発音が非常に明確で、言葉の1つ1つが立っている。この部分に於いては、オリジナルのジェジュンとジュンスの発音よりも優れていると言えるかもしれない。
2人の歌を聴いて、歌詞が明確になった部分がいくつかあるからだ。
歌の歌詞というのは、歌われた瞬間にその言葉が聴く人の脳裏に明確に届き、イメージ出来る必要があると思う。
そういう点でコロナ禍もずっと日本に滞在し、活動や生活の拠点を日本に移している彼らの方が、日本語の発音に於いては明らかに優れていると言わざるを得ない、と感じた。
オリジナルの歌声に比べると、やはりカバー曲ということで若干の遠慮があるように感じるが、歌声は伸びやかであり、もう少し、自分達を前に出すオリジナル性を発揮すると、さらに良い歌になるように感じた。
インディーズであっても、このようにYouTubeを使って、自分達の歌を公開することができる。
誰がブレイクするのか、何がブレイクするのか、今は業界も判断できない時代だ。
次々、カバーを歌って、自分達にしか表現できない世界を確立するといいように思う。
そこから、思いがけない道が開けることもある。
人生はわからない。