たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。
新春2回目は、ロックグループONE OK ROCK(以降ワンオク)のボーカリストTakaを扱います。サラブレッドの生まれにもかかわらず、非常に紆余曲折の人生を歩んできた苦労人でもあります。海外で評価の高いワンオクとボーカリストであるTakaの歌について、書いていきたいと思います。
『内秘心書』で2007年メジャーデビュー
ワンオクは、正式には、ONE OK ROCKと書きます。名前の由来は、バンド結成当時、練習場所に集まる時間が毎週末の午前1時(one o’clock)だったこと。午前1時になると、スタジオが深夜パック料金になって安く使えることから、その時刻にメンバーが集まって練習していたとのことです。初期メンバーで初期ドラマーのYOUが名付けました。
簡単にワンオクの歩みを説明すると、結成は2005年。何度かメンバーの入れ替えを繰り返しながら、2009年から現在のメンバー4人に固定されています。
メンバーは、Taka(ボーカル)、Toru(ギター)、Ryota(ベース)、Tomoya(ドラムス)です。2007年『内秘心書』で、アミューズグループのA-Sketchからメジャーデビューしました。
その後、若者を中心に支持を集め、全国のライブハウスでのツアーや、夏に行われるロックフェスティバルなどの出演を通じて、確実に活動を積み上げ、武道館、野外スタジアム、また、アリーナツアーやドームツアーを成功させて来ました。
また、8年前からは、活動拠点をアメリカに移し、日本だけでなく、海外のレーベルとも契約をし、アルバムを発売。欧米諸国やアジア各地でワールドツアーを成功させています。海外での認知度や評価は高く、近年は精力的に海外ツアーを展開しています。
日本ではほぼ地上波に出ていませんが、映画やドラマ、CMとのタイアップ曲は非常に多く、有名なところでは、『Wherever you are』があります。
この曲は2010年にリリースされた4枚目のアルバム「Nicheシンドローム」の9曲目として収録されたもので、2015年にNTTドコモのCMソング「感情のすべて/家族」篇に起用されました。
ビルボードジャパンのチャートにランクインし、4ヶ月以上トップ20にランクインし続けた楽曲で、代表曲の1つと言えるでしょう。
このバンドの中心的役割を担っているのが、ボーカリストのTakaです。現在、楽曲の多くを彼が作詞・作曲している状況で、ワンオクの中心的人物と言え、ワンオクの活動方針は、そのまま彼の活動方針と言えるかと思います。ここからは、Takaについて書いていきましょう。
芸能界のサラブレッドとして生まれて…
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