たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

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今回は日本が世界に誇るロックバンド「B’z」を扱います。B’zはアジア圏のミュージシャンとしては初めて「ハリウッド・ロックウォーク(英語版)」に殿堂入りしたバンドであり、その音楽と実力は日本のみならず、世界から認められている存在です。彼らの30年以上にわたる活動の歴史と60歳を前にして、なおパワフルな歌声を披露しているボーカリスト稲葉浩志の歌声の魅力に迫っていきたいと思います。

(前編はこちらから)

津山市の思い出

B’zの稲葉浩志は岡山県津山市出身。実は、クラシック畑出身の私は、J-POPに何の興味も持っていなかった1990年頃だったかに彼の名前だけは知っていました。なぜなら非常に個人的な話ですが、津山は私の母方の故郷で幼い頃から行き慣れた場所だったからです。

伯父が帰省した母を連れて彼の実家が営む化粧品店に出向いた折、彼の生写真をもらったとかで母から彼の写真を渡されたことがあります。

でも残念ながら、その頃、子育て真最中の私は何の興味もなく、写真もそのうちどこかにやってしまう始末。ファンの人が聞いたら、さぞ、お怒りを買いそうなことですね。

ですが、その時、稲葉浩志という名前と爽やかな彼の笑顔だけは記憶に残ったのです。

それから30年ほど経ち、数年前に津山を訪れた時、津山駅のターミナルに稲葉浩志の大きな画像の入った垂れ幕があったのを覚えています。ああ、そういえば、津山の出身だったなぁ、と。彼が出た津山高校は私の従兄弟も出た学校で県内でも有数の進学校。

そんなこともあって、今回の連載は、非常に懐かしい匂いのする情報ばかりでした。

と、脱線気味な話題はこれくらいにして、B’zの音楽を紐解いていきたいと思います。

稲葉の独特な歌詞づくり

続きはこちらB’z『JAPANハードロックを世界に押し広げ続けるトップランナー』(後編)人生を変えるJ-POP[第26回]|青春オンライン (note.com)