城田優のたくさんの素材をファンの人から提供して貰った。

少しずつ書いていきたいと思うが、先ず、惹かれたのは、この曲。

これは、2019年11月19日の広島でのNHK「うたコン」での歌唱だ。

 

「サウンド・オブ・ミュージック」のこの歌は、余りにも有名。

ジュリー・アンドリュースの明るい歌声が印象的だ。

 

彼の歌は、ちょっと違う。

甘めの低音からの歌声は明るさよりもちょっとした切なさが漂う。

上顎から鼻腔にどの音も見事に響かせられていて、文句のつけようがない。ポジションが固定化するというより、自然とそこに歌声が集まってくるという感じだ。

どんな音もどんな言葉もそこに集まる。

歌い出しのうまさは絶品だ。

この自然体で息をするかのように歌い始める彼の歌い出しは、この人の歌のポジションが話し言葉のポジションと同じであることを証明する。

確かに普段の城田優の話し声も綺麗にフロントボイスのポジションになっている。

英語の発音が非常にクリアで、わかりやすい。

癖のない発音は、そのまま自然体の発声の中に組み込まれて、言葉がメロディーに同化していく。

ジュリー・アンドリュースの歌が、非常に快活だったのに対し、彼のこの歌はどちらかと言えば怠惰的。ピアノとセッションの伴奏がそれを助長する。

どんなにメロディーが動いても、全くポジションが外れないのは、見事としか言いようがない。

綺麗に一本の線上に声の粒が連なっていく。それも粒の揃った音も粒達。

どこにも無駄な力が入っていない。

だからブレスの流れが自然で、その流れに声を乗せて歌うだけ。

この人の歌は、本当にフロントボイスのお手本のようだ。

 

あー、上手いなー。

 

そう思った。