たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

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今回は、2020年にメジャーデビューしたシンガーソングライターの優里を扱います。彼の代表作の一つである『ドライフラワー』は、配信のみだったにも関わらず、大ヒットとなり、それがメジャーデビューへと繋がりました。現代のアーティスト活動の象徴とも言える現象を巻き起した彼の音楽の魅力について紐解いていきたいと思います。

路上ライブから始まったストーリー

優里は1994年、千葉県で生まれました。今年、29歳になります。彼は小学生の頃から海外のロック音楽好きの母親の影響を受けて、塾の行き帰りなどにBon Jovi、Queenなどの海外アーティストの曲をウォークマンで聴いていたとか。

日本のアーティストの曲を聴くようになったのは、高校に入ってからで、BUMP OF CHICKENやスピッツなどのライブにも行ったりしていました。

彼は2016年、バンド「THE BUGZY(当時は「the Bugzy」2018年11月に名称変更)」の一員になり、ボーカルを担当します。その後、「THE BUGZY」は、2018年にプラチナムプロダクション音楽部門の所属になり、ライブ活動をしていましたが、2019年に解散。

同時に優里はシンガーソングライターとしての活動も始めました。また、2017年頃からは、TikTokやYouTubeなども使って歌の動画配信などを行なっていました。

彼の路上ライブは、東京だけに限らず、大阪や神奈川などにも遠征し、活動を精力的に行っていきます。

ギター片手に自分で作った楽曲や日本のアーティスト、例えば、小坂明子や尾崎豊、テレサ・テンなど昭和歌謡の楽曲のカバーなどを歌ったりもして、歌詞の大切さを伝えられるように歌唱力を磨いていきました。

そんな彼に起こった人生の転機とも思われる大きな出来事が、あるアーティストとの出会いだったのです。

奇跡はいつだって突然やって来る

 

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