たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

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連載21回目はミュージシャンであり、俳優でもある星野源を扱いました。まだソロ歌手としてデビューして13年目ですが、J-POP界の中で独特のポジションを確立しており、また同時に俳優としての存在感も放っています。俳優と歌手という2つの顔を持っている彼の今までの歩みとそこから見えてくる人間的魅力について紐解いていきたいと思います。

マイケル・ジャクソンに衝撃を受けた小学生

星野源は、1981年生まれの42歳。埼玉県出身で、八百屋を営んでいる両親の下で一人っ子として育ちました。

星野源という名前は本名です。水曜日の雨の日に生まれたから、両親がさんずいの水に因んだ名前をつけたと言います。また、源という名前は漢字一文字で外国人も呼びやすいだろうということからもつけたとのこと。彼は、自由の森学園中学校・高等学校で学びました。

小学生時代には、マイケル・ジャクソンに衝撃を受け、曲を聴いては踊り出すような子どもだったという彼は、両親がジャズのレコードをよくかけていたことも、その後の曲作りに影響を及ぼしていると言います。

彼が本格的に音楽に興味を持ったのは中学時代で、周りの友人たちがギターを弾き始めたことに触発されたとか。また同時に演劇にも興味を持ちました。

高校生になると、ますます演劇に興味を持つようになり、宮藤官九郎や阿部サダヲが所属する『大人計画』の舞台を観て感動を覚え、自分も劇団に入りたいと思うようになります(この劇団には2003年に『ニンゲン御破産』で初舞台を踏んでいます)。

高校卒業後の2000年、高校時代の友人たちとインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、バンド活動も始めました。当時は、俳優と歌手活動を同時に行う人も少なかったのですが、劇団は両方やることにOKを出してくれたそうです。

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SAKEROCKと俳優活動

 

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星野源『役者魂が音楽に溶け込んだ世界』(前編)人生を変えるJ-POP[第21回]|青春オンライン (note.com)