B’zのボーカリスト、稲葉浩志のTHE FIRST TAKEを拝聴しました。

稲葉浩志といえば、ハイトーンでのパワフルな歌声が持ち味です。

デビューした時から、そのパワフルな高音の歌声が他を圧倒していた、と言える存在でもあります。

今回、彼が歌ったのは『羽』

2016年1月にリリースされたものです。

この楽曲は全体的に高音域を中心としたメロディーラインが使われていますが、特に後半のサビの部分は高音が連続して出てくるメロディーラインになっており、非常に歌手にとっては喉への負担が大きい作りになっています。

この楽曲を彼は何度も出てくるメロディーの声の当たりを全て同じにして統一した音色で歌い上げているのはさすがとしか言いようがありません。

何度も繰り返される高音のメロディーを非常に正確に歌い上げていくテクニックは、彼ならではのものでしょう。

 

B’zがデビューして以来、同じようにいわゆるJAPAN ROCKの分野で多くのグループが誕生し、ボーカリストが誕生してきていますが、声帯の故障や難聴など、ハードさゆえのダメージに悩まされる歌手が少なくない中で、彼はその歌声を維持し続けています。

そんな彼も40歳で声帯の水脹れ、という症状を経験し、手術を受けています。

この「声帯の水脹れ」というものは、ハードな歌唱などによって、声帯の過度な摩擦回数から、摩擦箇所に炎症が起きて水脹れになるもので、誰でもなりうる炎症でもあり、歌手にとっては一種の職業病とも言えるものでもあります。

ただ、普通は炎症が起きれば、その水脹れが引くまで歌わない、ということで自然と収まるものでもあるのですが、ハードなライブ日程ではそうもいかなかったのかもしれません。

この水脹れを放置したまま、さらに歌い続けると、本格的な炎症である結節やポリープに移行していく可能性が大きいですから、その前段階で処置をしたことによって、彼の声帯は瑞々しさを保つことが出来ているといえるでしょう。

また、そのことを契機に業界一と言われるほど、ストイックな声帯の管理、体調の管理をすることで有名です。

夏の真っ盛りでも冷房を使わない、

楽屋の扉に目貼りをして冷気を一切入れないなど、徹底した自己管理を行なっています。

 

今回の楽曲である『羽 』は、ちょうど7年前にリリースされ、そのMVの音声と聴き比べても全く遜色のない歌声です。

彼は今年59歳。

今回のTHE FIRST TAKE での歌声において、パワフルな声量も歌声の伸びも健在です。

日本のロックを牽引する存在として、いつまでもその歌声が健在であることを示し続けてほしい歌手の1人です。

 

私が連載させて頂いている青春出版社のオンラインサイト『人生を変えるJ-POP』で、B’zの音楽と歌についての解説『JAPANハードロックを世界に押し広げるトップランナー』前後編が掲載されました。

まだ読まれていない方は下記からどうぞ。

B’z『JAPANハードロックを世界に押し広げ続けるトップランナー』

前編

https://note.com/seishun_pub/n/ne3f1f2bef2f5?magazine_key=m4836940fe976

後編

https://note.com/seishun_pub/n/nb7352fb13844?magazine_key=m4836940fe976