この曲がベスト30の堂々の2位だった。
この曲は2002年7月発売の14枚目のアルバム「SKAP015/Drink!Smap!」に収録されたのち、2003年3月に35枚目のシングルとしてリリースされた。
あまりにも有名な曲であり、SMAPの代表曲の一つと言える。
ヒット曲を作り出す要素の一つに、広く大衆が受け入れる曲というのがある。
この大衆が受け入れるというものの定義は非常に難しく流動的だ。
何がきっかけで大衆が広く受け入れていくかは、わからない。
ただメロディー的に言えば、
簡単でシンプルなこと。
中毒性のある繰り返し。
耳に残るフレーズ。
こういうものが、大衆に受け入れられ易い。
これらの点から言えば、「世界に……」はヒットする要素を全て兼ね備えていると言えるかもしれない。
また、歌詞が非常にストーリー性に溢れており、歌いながら物語を情景として浮かべることが出来る。
さらに象徴的な「No.1でならなくてもいい。元々特別なonly one」という歌詞は、既存の概念である、「No.1
がいい。No.1を目指す」という常識的な概念を打ち破っている。
この意外性が人々の心の中に大きなインパクトを持って残っていく。
これらがこの曲が大衆の心を広く掴み、20年近くが経つ今でも歌い続けられている名曲である由縁と思われる。
歌については、SMAPは各個人の歌唱力が突出しているグループではなかった。
個々の個性を打ち消し、SMAPという枠組みの中で一つのハーモニーを作り上げていきたグループであり、音色的に非常に柔らかで幅のある響きを持ったグループであった。
その響きの音色は暖色で、心の中にそっと入り込んでくる、そっと心に寄り添ってくる、というハーモニーの音色だった。
彼らは確かに非常に楽曲に恵まれたが、それは彼らの持つハーモニーの個性が、そのような楽曲と相まって人々の耳に心地よいサウンドを届け続けたからに違いない。
多くのジャニーズグループがあるが、そのどれもはジャニーズサウンドと呼ばれる共通のハーモニーを持っており、それはSMAPから引き継いだサウンドであることに違いはなく、多くの後輩達グループに影響を与え続けている存在であることは間違いがない。
既に解散してしまったグループでも楽曲がこのように評価されることは、如何にこの曲が大衆の心を捉え、また音楽的にも優れた音楽であったかということを示している。
JPOPという名称が生まれた背景にSMAPの音楽の存在があったことは、SMAPというグループが存在していなければ、JPOPというジャンルがこれほど確立してきたかどうかもわからず、彼らの出現が日本の音楽業界に大きな影響を与えたことは間違いない。
そういう意味で、多くのミュージシャンに影響を与えた曲と言えるのだろう。