三浦春馬が生前、自宅からリモートで演奏したゆずのカバー「からっぽ」を聴いた。
ギターの弾き語りを見て、本当にこの人は多才だったのだとあらためて思った。
非常に力強い歌声だと思った。
ギターだけの弾き語りで、彼の声がほぼ丸裸に近い。
太めの低い安定した響きの歌声である。
鼻腔に響いた甘めの歌声だ。
この人の歌の特徴は、俳優であるだけあって、非常に言葉が明瞭であり、タンギングが非常にしっかりしていることが特徴だと感じた。
この曲では、中音域から高音域を力強い響きの歌声が覆っている。
しっかりとした響きであり、声量もたっぷりある。
歌手として可能性に満ちた声であり、まだまだ伸びる要素をたくさん持った歌声であると感じた。
何気なく歌ったこの曲が「からっぽ」というタイトルにも関わらず、彼の歌声からは非常にエネルギッシュなものを感じる。
もっと彼が音楽に向き合える時間があったなら、もう少し違う展開になっていたのではないか、と彼の力強い歌声を聴きながら思った。
音楽で癒される余裕もないほど、疲れ切っていたのが本当に残念で堪らない。
伸びきったゴムをまだ伸ばしている。
そんな気がした。