ジェジュンと聞いて記憶のない人でも、5人の東方神起の時のセンターだった人、と言えば、ある年代以上の人間は、大概記憶を呼び起こすだろう。それは、現在の東方神起がどのような形態になっているか、この数年間の道のりなどは、問題ではなく、今だに5人のままだと思っている人もいるぐらい、人々の記憶というものは曖昧なのだ。そして、東方神起の名称は、「どうして…」を含む多くの楽曲の歌声と共に人々の記憶の中にある。
2004年韓国で東方神起のメンバーとしてデビューした彼は、2010年、グループからの脱退を経て、日本活動を休止した。そして、今年の6月、ソロ歌手として日本で正式に再デビューした。
グループ歌手からソロ歌手への転向は、珍しいことではない。ただ、韓国人でありながら、日本でソロ歌手として正式にデビューした人は、この人以外に私は知らない。(もし、誰かいれば教えてください)
何度か訪れる韓流ブームの中で、多くのKPOPグループが日本で活動し、KPOPは、日本音楽界の中で、一つのジャンルを形成している。しかし、日本でどんなに多くのファンを持っても、彼らはあくまでも外人タレントという括りでしかない。
日本でCDを発売するためだけにレコード会社と契約を結び、韓国語の楽曲に日本語の歌詞をつけ、ライブ活動を行う。
この活動の形態は、あくまでも韓国の音楽を日本に輸出するという行為であり、決して日本の音楽界で活動するという意味ではない。
唯一、エイベックスと契約を結び、日本の音楽業界で、日本のグループと同じように活動していた東方神起ですら、分裂以降の2人になってからは、コンサートやCD発売の活動だけに日本を訪れるようになった。また、今は、エイベックスとのマネージメント契約を解消し、CDのレーベル契約だけをエイベックスと行なっている。
BTSを中心とした第三期韓流ブームと言われる中で、日本人の作った楽曲を歌うという活動の仕方は、BTSへの秋元康の楽曲提供が頓挫したことからもわかるように、あくまでも韓国のグループは、韓国の音楽を輸出する媒体という位置づけでしか日本活動は出来ない状況にあると思われる。
そういう状況の中で、ジェジュンは、日本の事務所とマネージメント契約を結び、CDは自己レーベルを立ち上げ、販売をSONYに委託している。また、彼が歌手活動に選んだ楽曲は、JPOPであり、日本人の手によるものだ。
これは、ジェジュンという歌手として、正式に日本の音楽業界で活動することを意味する。
彼が、6月以降に出した二枚のCDは、もちろんJPOPであり、CD発売に際しての番宣活動は、日本の業界の慣例に基づいている。即ち、ハイタッチ会、音楽番組、メディアへの露出、雑誌への露出など、所謂日本の新人歌手の販促活動と何ら変わることはない。
また、それに伴うライブ活動でも、JPOPのカバー曲を積極的に取り上げている。
これらは、彼が、日本の音楽業界で、JPOPの歌手として活動していくという覚悟と決意を現すものと多くの人に認知される。
彼は、まだ、2枚のCDしか発売していない。
しかし、多くのJPOPのカバー曲を歌い、番組に出演した。
その歌声は、5人の頃の歌声と大きく変わっている。
彼が歌うJPOP曲を通して、日本語の歌を歌うことへのこだわりを紐解いていきたいと思う。