氷川きよしの新曲「確信」のMVを観た。
「大丈夫」のカップリング曲としてCDが発売されているが配信は来月とのこと。
MVが公開されているのを観た。
完全に演歌歌手の衣を脱ぎ去った様相とロックバージョンの曲想は、彼の新しい姿を見せる。
「新時代は幕開けて 胸に灯る熱い想い
失敗(まちがい)なんて恐れるな
やってみなきゃ わからないさ 感じるままに
明日(あす)が来ないとしたら? 今日が最期だとしたら?
悔やまぬよう思い切り 今しか出来ないこと 今スグ踏み出して行こう
周りのひと合わないと 感じることあるけど 無理矢理型に 合わせなくていい
強くも弱くもあるし 縛られてるようで自由さ
答えを辿り 毅然として生きたい
翼広げ羽ばたけ!自分らしく人生生きろ!……」
これらの歌詞(抜粋)はまるで彼の心境そのもののようだ。
今まで持ち続けてきたイメージを打破し、新しい「氷川きよし」を作り上げる。
誰がなんと言おうと、批判されようと、自分の感覚を実現化する。
それこそが彼の中の「確信」だ。
私は計らずも彼のバースデーコンサートを鑑賞した。
その時の彼の宣言
「今日から演歌歌手のカテゴリーを外し、アーティストを目指します」
その宣言通り、彼はどんどん変化する。
「新生氷川きよし」
「新しい姿をお見せする」
20年かけて培ってきた演歌界のプリンスという殻を自ら打ち破る。
彼が自分の歌手人生に「限界」を置かず、「限界突破」して行く姿は潔い。
歌手はデビュー当時のイメージについて固定ファン層を守っていけば安定的に収益は見込める。
氷川きよしも20年という長きに渡って演歌界のトップに君臨し続けたキャリアとファン層を守っていけば、この先もある程度は安泰だろう。
「演歌」というカテゴリーは老若男女を問わず根強い人気を持つ。
その保守的な世界で築き上げたファン層は強固だ。
その安定を手放す。
「20年経って、やっと歌手になった。これからは自分の本当にやりたかったものをやる」と彼は言った。
その言葉通り、バースデー以降の彼の変身は目覚ましいものがある。
その第一弾が「確信」なのかもしれない。
「ロックを歌うことで離れてしまうファンの方もいるかもしれない。でもそれは仕方ないんです。選ぶ権利はお客様にあるわけですから」
それでも彼は前に進む。
自分の前に限界を置かず、自分の音楽の世界を限界突破する。
「本当に歌いたかったものを歌う」
その言葉通り、新生氷川きよしの歌には、「演歌」の名残はどこにも見られない。
持ち味のストレートなハイトーンボイスを武器にポップス界で勝負を賭ける。
彼の歌声を聞く限り、本来の歌声に戻り伸び伸びと高音を操るのを聴けば、いかに彼が演歌特有の「こぶし」をつけてくるのに苦労し続けたかがわかる。
「すみません、こぶしが滑っちゃいました」と言うくらい、20年経っても彼の歌声の中に「こぶし」は同化せず、テクニックでつけてきたのだ。
彼が今後、どんな形で自分の殻を破り、新生氷川きよしとして何を目指して行くのか非常に興味深い。
※
彼の歌声の軌跡を辿りたいと思いましたが、彼の楽曲は殆ど配信されていませんでした。
演歌界はそういう点で時代から取り残されているカテゴリーですね。
デジタル配信をしMVもデジタルで公開していけば、もっと違ったファン層を獲得できる可能性があるのに、と思いました。
氷川きよしさんの楽曲はおそらく今後は全てデジタル配信されるでしょうから、楽しみにして書いていきたいと思います。