尾崎豊が亡くなって27年。未だに多くの人の胸の中に彼の歌声が残る。

尾崎豊と言えば、「歌う」というより、「思いを吐き出す」ような歌声が印象的だ。
数多くいる歌手の中で、最も歌を自分に引き寄せて歌った歌手、歌の中に入り込んだ歌手と言えるかもしれない。

尾崎の歌は、綺麗に歌う、〇〇ボイスで歌う、響きがどうのこうの…
そんなものは超越した世界にある。
彼の歌は彼そのものの心であって、何者でもない。
この歌も彼は心の底から思いを吐き出すように歌う。だから尾崎の歌なのだ。

そんな強烈な世界観を持つ尾崎の歌をジェジュンはカバーした。

「綺麗に歌わなくてもいいんだと思った」と彼に言わしめた通り、ジェジュンの歌声も他の楽曲とは異なる。

普段の彼の歌声とは全く違い、太く暗い音の色彩に楽曲全体が包まれる。
どのフレーズもともすれば力が入り過ぎているのではないかと感じるほどの熱の込めようだ。

それでも彼は彼の世界観でのこの曲を見事に作り上げた。
充実した歌声は、思いの丈を込めても破綻することはない。
かなり作られた声という印象が強い。

それは響きを太く固定し、口を縦に開くことで横に声の響きが散らないようにしている。
そうやって作り出された歌声は、いつもの彼の歌声よりも暗く深く濃く、充実した響きに作られている。

ドリフェスの折、ただ一曲だけ気になったのがこの曲だった。
あまりに力を入れて太く響きを作るために最後のサビの部分で声が割れて、響きが抜けた。
即ち、声帯が分厚く当たり過ぎて返って隙間が出来てしまい、声にならなかったのだ。
彼の思いと声帯の反応のバランスが崩れた瞬間だった。
しかし、それこそが尾崎豊の世界とも言える。

あの日のジェジュンには、尾崎の心が乗り移ったのかもしれない。
そんな気がした。


前記事にも書きましたが、セミナーのお知らせとそれに伴う注意喚起です。

●三浦大知さんを扱ったセミナーが行われます。
三浦大知さんのファンで二松学舎大学教授の塩沢一平先生による「日本の流行歌、その魅力と秘密 すみれの花咲く頃〜三浦大知まで」が下記の日程で開催されます。
言葉の面から三浦大知さんの歌についての分析をされている先生です。彼の歌についての分析の研究を講義して下さいます。
私も参加して、歌とは異なる面から彼の音楽の世界を知りたいと思います。
皆さんも是非、参加して一緒に聴講しませんか?

日時  11月30日(土)13時〜14時30分
場所  朝日カルチャー湘南教室

申し込みは下記をクリックすると開きます。

日本の流行歌、その魅力と秘密 すみれの花咲く頃〜三浦大知まで

なお歌手の名称を用いてのセミナーに関して、一部に批判があるようですが、弁護士に問い合わせたところ、歌手の名称を使ってさも本人が関与しているかのような内容、集客をしている場合はパブリシティ権の侵害に当たるとのことでしたが、それ以外の場合には該当しないと解釈されるとのことでした。
また現在、批判に関する書き込みは、全て弁護士が調査中で、アカウントも含めて証拠保全を行なっています。安易に同意やリツイ、コメントをされますとリストに載る恐れがあり、後々に問題となった場合も、こちらでは責任を取りかねますので、巻き込まれないようにお願いします。言動には自己責任が伴います。ご理解の上、慎重にお願いします。

★嗅覚反応分析付レビューセミナー第3回目は、ジェジュンさんを取り扱います。今回は、デビュー後の韓国時代と日本デビュー後、声を変えるまでの時期を取り扱います。
日程は、12月1日を予定しています。詳細は決まり次第、お知らせします。