緊急宣言が出されて家にいるしかない期間、元気になる歌が聴きたくなる。
そんな気持ちに彼女達の歌は前向きのエネルギーを心一杯に注入してくれる。
元気になる。
笑顔になる。
暗く沈みがちな気分に彼女達の音楽は、楽しい気分にしてくれる。
アルバム「BRIGHT NEW WORLD」の中で私が最も好きな一曲だ。
アカペラのスキャットで始まるこの歌は、全体がアップテンポで、音楽が前へ前へと進んでいく。
彼女達の屈託のない歌声が明るく響いていく。
タイトルの「 Classic」のように彼女達のハーモニーが多重音楽のように重なり合って、ハーモニーが掛け合わされていく。
ソロパートのバックに声が重なっていく。
このバランスは彼女達でしか出せない絶妙なバランスであり、ソロパートを引き立てながら、ハーモニー部分がしっかりと下支えすることで幅広い立体的なハーモニーの世界を作り上げる。
ことばのテンポ感が素晴らしい。
どんなにアップテンポの細かいリズムの刻みのフレーズであっても彼女達の言葉は決してこぼれ落ちて行かない。
メロディーラインにしっかり留まって、リズムを先取りして進んでいく。
タンギングが確かで言葉が非常に明確だ。縦刻みの深いエッジの子音の切り込みに子音の切り込みによって、ことばの一つ一つが独立して立ち上がり、横に決して流れない。
どんなにアップテンポの中でも言葉が滑り落ちない。
彼女達の若さのエネルギーと声のコントロール力が見事が一曲。
彼女達の進歩は目覚ましい。
伸び盛り。
絶好調だ。
今なら何の曲を歌わせても彼女達の世界を構築してくるだろう。
5人の技量のバランスが取れていて、グループ音楽としては完成形に近い。
ここからグループとしての発展をしていくのか、それぞれのソロの技量の発展に繋がっていくのか、岐路はそう遠くないかもしれない。
日本に本格的な女性のハーモニーボーカルグループが存在しない今、彼女達は貴重な存在だ。
それだけに彼女達が作り出すハーモニーの世界を少しでも長く堪能していたい、と思う。