何もかもが破格だった。
11月22日に有明アリーナで開催された『THE LAST ROCKSTARS』のライブを拝見した印象だ。
このバンドは、YOSHIKI、HYDE、SUGIZO、MIYABIの4人によって構成されたバンドである。
今の日本のロック界をリードし続け、多くのアーティストに影響を与えてきた存在でもある4人が1つのステージに立っている。
それだけでもロックファンにとっては夢のような光景だろう。
その彼らが去年11月に結成したのが、「THE LAST ROCKSTARS」というバンドである。
このバンドは、結成当時から、非常に話題性が高かった。
その理由として、バンドという枠を超えたメンバーによって構成されているという点、そして、構成メンバーが、日本のロック界を代表するメンバーだった点にある。
結成発表後、昨年末のNHK紅白歌合戦に初パフォーマンスとして初出場したことも記憶に新しいのではないだろうか。
今年1月に第1回目の日本公演とアメリカ公演を成功させ、今回が2度目となる公演である。
このライブで感じたことは、何もかもが今までのライブの慣例というものを打ち破ったものだということだった。
その最たるものは、ライブの全編が撮影OKということだ。
普通、多くのアーティストのライブは撮影禁止で、撮影しているのが見つかれば会場から退出させられる。
しかし、この日、今の日本では当たり前のように見慣れた「撮影禁止」という文言の看板はどこにも見当たらない。
そしてライブが始まっても、観客達は正々堂々と撮影を続けているのだ。
撮影禁止になるのは、後日、ライブDVDとして販売するのに支障が出るということなのだろうと推察するが、このバンドでは、そんな利益よりも会場のみんながその瞬間を収めて楽しい思い出と共に記憶してればいいということなのだろう。
この日は、XJAPANのメンバーでギタリストのPATAが飛び入りで参加。
メンバー全員と一緒にXJAPANの『Rusty Nail』をセッションし、その後、5人で並んでMCする姿はなんとも微笑ましく和やかな雰囲気になった。
YOSHIKIの「バンドの垣根を越えて、こうやって一緒にセッション出来るというのが素晴らしいでしょう?」との問いかけには頷くしかない。
オリジナル曲3曲に加えて、MIYABIとSUGIZOのギターセッションや、SUGIZOのバイオリンソロ、HYDEの変わることのない歌声に、YOSHIKIのドラムなど、なぜ、4人がレジェンドと呼ばれるのか、その答えが全部ここにある。
そんな一夜だった。
楽曲を知らなくても楽しめた『Bang!』
会場のみんなを巻き込んで自分達の世界に引っ張っていく力はさすがだ。
最後にYOSHIKIの澄んだピアノの音色が私の心の中に残った。