リトグリの新曲。
TVアニメ『半妖の夜叉姫』弐の章エンディングテーマが決定しており、3日から先行配信されている。
この曲では、『透明な世界』というタイトルをそのまま歌声に反映させたようなサウンドが全編に広がり、彼女達の透明感溢れる歌声で音楽が綴られていく。
ソロパートとハーモニーパートの繰り返しによって構成されているこの曲では、ハーモニー部分の声の重なりがリトグリならではの形になっており、5人健在のハーモニーは、4人だった時との違いをまざまざと感じさせるものになっている。
ボーカルグループの難しさは、メンバー1人1人の力量と音色を揃えるところにある。
それはメンバーの数が多ければ多いほど難しくなる。
しかし、今回の曲に於いて、5人の音色は綺麗に統一され、『透明感』というキーワードでハーモニー全体の音色が作られているのが見事である。
ハーモニーの醍醐味は、音の奥行きと広がりにあり、ユニゾンとの対比にある。
優れたボーカルグループは、ユニゾン部分では、統一した音色で歌い、ハーモニー部分では、それぞれのパートの音をしっかりと提示して、ハーモニーの持つ幅や広がりを提示していく。
それは、いわゆる、蝶が羽を閉じたり広げたりするのを想像して貰えるとわかりやすいのではないだろうか。
即ち、サウンドが、蝶の羽のように閉じたり広がったりすることで、音の広がりを体感するのである。
彼女達のサウンドは、まさにこのように見事な統一感と広がりを感じさせる。
さらに今回の音色の透明感は、20代前半という女性の声の透明感を感じさせるギリギリの年齢でもある。
今後、彼女達が女性として成熟していく中で、ハーモニーの音色がどのように変化していくのか、それも彼女達が作り出す新しい世界の魅力になるに違いない。
そんなことを感じた。