崎山蒼志 は現在19歳のシンガーソングライター。

小学校6年から作曲を始め、13歳から積極的に音楽活動を行なっている。

2018年にAbema TVの番組の中の企画でグランプリを受賞した映像が拡散、川谷絵音をはじめとするミュージシャンが絶賛したことから存在を知られるようになり、その後、ドラマや映画の主題歌に起用されるなど、新進気鋭のシンガーソングライターの1人。

『風来』は、ドラマ「顔だけ先生」の主題歌で、崎山が水野良樹(いきものがかり)と共作した楽曲。

今回、この楽曲だけでなく、いくつかの楽曲も聴いてみた。

 

先ず、第一印象としての彼の歌声は、19歳という年齢から来る特徴を端的に表している。

声帯という器官は、成熟するのに時間のかかる器官である。

特に男性の場合、声変わりという思春期に起こる変声を経て、その後、男性ホルモンが増えるに従って、変声した声も影響を受けることが多い。

そういう面から考えると、彼はまだ19歳になったばかり。変声期を経て、長くても7年ほどしか経っておらず、まだまだ肉体的器官としては成長途中にあると言えるかもしれない。

十代の男性の歌声は、少年期の青臭さを十分に残している。すなわち、透明的で無色に近い音色と細い響きをしていることが多い。彼の歌声の場合、そういう年齢的な声が顕著なのは、高音域の裏声の歌声の不安定さに感じられる。が、中音域から低音域にかけては、艶やかで鼻にかかった甘めの歌声をしているのが特徴であると言える。

 

 

 

『風来』の楽曲は、

軽快なポップスで、青春の清々しさを感じさせる一曲になっている。

曲の始まりは、メロディーがかなり幅広く動く作りになっており、安定した音程で歌うことに難しさを感じられる作りでもある。

サビの部分は、中音域から低音域のメロディーが狭い音程の中で行き来する。

全体的に前へ前へと音楽が進んでいく躍動感のある楽曲である。

簡単に覚えられるメロディーが特徴的で、中毒性のある繰り返しのメロディーがいつまでも耳に残る作りになっているのが特徴の一曲である。