リクエストを頂いて韓国のアイドルグループ2PMのJun.KがTHE FIRST TAKEで歌った「My House」を聴いた。

彼の歌声は実は3年ほど前に聴いている。当時、個人的に交流していたバックコーラスを専門に担当している女性歌手のIKUCOが彼とコラボして歌った「なぜ」を聴いたことがあるからだ。

今回、彼の歌はアコースティックバージョンの「My House」

彼の歌声は非常に面白いと思った。

それはなぜかと言えば、音域によって様々な色彩を持つからである。

例えば、中音域から低音域はハスキー気味な色彩の薄い歌声をしている。ところがこれが同じ中音域でも少し高めのカーンとした発声になるとハスキーさが消える。そしてストレートボイスになるのだ。

さらにもっと高音になると、色彩が増していく。

このように音域によって明らかに歌声の色彩が異なる数種類の歌声を持つ歌手である。

またヘッドボイスとミックスボイスのチェンジボイスが非常にスムーズであり、ヘッドボイスの音色とミックスボイスのボイスチェンジギリギリの音域の音色が非常に似通っている。その為、チェンジボイスが行われても聴き手側は違和感を持たない。

またラップ部分はチェストボイス。即ち地声であると思われるが、この部分もハスキーさはなく、安定した綺麗な音色のバリトンボイスである。

 

全体的な印象として、しっかりした体幹によるブレスコントロールによる呼吸と、発声ポジションがフロントボイスになっていて(額から鼻中にかけての部分に声を当てる発声法)小気味良いタンギングのアタックと共に、非常に安定した歌声であるということを印象として持った。

 

2PMの中では一番歌が上手いことで定評があるとのことだが、この曲に関しては、ブレスコントロール、声の伸び、日本語のタンギング、リズムの鋭角的な刻みなど、文句の付けようがない歌であり、非常に安定していると感じた。

もう少し何曲か聴いてみたいと思う歌手の一人である。