ジェジュンの日本ソロデビュー曲「Sign」だ。
この曲に於いても上手く声が顔の前面に乗っている。
ちょうどメロディーラインが彼の鼻腔に当たりやすい音域になっているのがわかる。ただ、フロントボイスにしては、エアーの流れが少ない。即ち、ブレスが十分に声に混ざっていない感じがする。
そのために彼の歌声は綺麗に鼻腔に当たってはいるものの透明感と勢いが感じられない。
即ち声が、前へ前へと流れていかず、彼の身体にへばりついていて離れない。
エアーの流れに乗せて声を飛ばし切れていない。
そういう感じがする。
そのため、歌声は彼の身体にあって、音楽の流れは動かない。動きが悪い、という印象を持つ。
これでは彼自身が非常に歌っていてしんどいのではないだろうか、と思った。
ポジション的には喉に落ちていないが、ブリージングが出来ていないために、声の流れが悪い、という感じなのだ。
ただ前半の曲目のような明らかに喉に落ちてしまっている歌声ではないことだけは確かだ。
しっかり歌い込まれた歌のために、ポジションは非常に安定している。
あとは空気の流れをしっかりと流すことによって、もっと流動的な響きが出るのではないかと思った。
少し残念だった。