昨夜行われた天皇国民祭典の中で嵐が歌った奉祝歌を聴いた。

この歌は、奉祝曲「Ray of Water」の第3楽章「Journey to Harmony」として披露された。
「Ray of Water」は天皇陛下が長年研究されてきた「水」をテーマに作られた曲で、嵐の歌った「Journey to Harmony」は、作詞岡田恵子(NHK朝ドラ「ちゅらさん」「ひよっこ」などの脚本家)作曲菅野よう子(「マクロス」シリーズ、「創聖のアクエリオン」音楽担当)によるもの。

この曲は、嵐というグループの特色を最大限に生かした楽曲になっている。

嵐の特色は、ユニゾンの一体感にある。
それは、5人の音色がうまく混ざり合って一つの色彩を作り上げているからだ。
松潤、桜井、二宮という色彩の濃い音をベースに甘くハスキー気味な色合いの相葉の声が混ざり、それらの対比を大野の歌声によって、上手く繋ぎ合わせている。
そうやって幅のある歌声が完成されている。

歌い出しから一貫して感じるのは、その浪々とした絶え間ない歌声だ。
太く絶え間無く流れ続ける歌声は、テーマである「水」そのものを現している。

途切れることなく浪々と流れ続けていく水の流れ。
その流れの中で時折、水音を感じさせるのが、それぞれのソロパートだ。
そこには、様々な水の色があることを感じさせる。

濃い青々とした水。
濃淡を持つ水。
さざ波が白さを感じさせる水。
泡立つような濁りを感じさせる水。
澄み切った水。

様々な水の色味が交錯して一つの太い流れになり、絶え間無く流れ続ける。

そんな水音を5人の歌声は連想させた。

水の流れは時折、細くなったりバラバラになったりする。
しかし、また一つの大きな流れとなって太く浪々と流れ続ける。

サビの後の繰り返されるフレーズ。

大丈夫鳥は歌っている 大丈夫空は輝いてる 大丈夫水は流れている 大丈夫海は光っている 

このフレーズの「いる」の語尾は全てメロディーラインが上行系で終わっている。
この部分が歌い手としては、非常に難しい部分であり、概して喉を突き上げたような歌声になりがちだが、彼らは全てのフレーズの語尾を同じ音色で統一して、非常にうまく処理している。

最後のワンフレーズ。

「大丈夫君と笑ってゆく」

このフレーズに大野の優しい歌声が凝縮され、「大丈夫君と歩いてゆこう」のエンディングの歌声で完結する。

雅子皇后殿下が涙ぐまれるほどの感動を与えたのは、彼らの一体感溢れる歌声と楽曲の表現力、構成力だったと感じる。

この一体感が、嵐の最大の魅力である。

★歌詞全文

君が笑えば世界は輝く 誰かの幸せが今を照らす 僕らのよろこびよ君に届け

はじめはどこかの岩かげにしたたり 落ちたひとしずくの水が平野流れ やがて研ぎ澄まされ 君をうるおし 鳥たちをはぐくみ 花たちとたわむれ あの大河だってはじめはひとしずく 僕らの幸せも大河にすればいい

ごらんよ僕らは君のそばにいる

君が笑えば世界は輝く 誰かの幸せが今を照らす 僕らのよろこびよ君に届け

星明りにじんでふと立ち止まったら 雨の匂いのなかに虹のうたを聴こう かすかなそのうた まるでひとしずく 静かにつながって 確かにつながって 青い空の下 夢など語りあう 愛とか語りあう それが僕の願い

ごらんよ光は君とともにいる

君が笑えば世界は輝く 誰かの幸せが時代を照らす 僕らのよろこびよ君に届け

君が笑えば世界は輝く 誰かの幸せが今を照らす 僕らのよろこびよ君に届け

大丈夫鳥は歌っている 大丈夫空は輝いてる 大丈夫水は流れている 大丈夫海は光っている 大丈夫君と笑ってゆく 大丈夫君と歩いてゆこう

引用先 https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/makiokose-arashi-2