この曲も「Neon Dive」同様、聞いているだけでリズムを取りたくなるような軽快さだ。
言葉の明確さに加えて、音色の統一感。強弱になっても明解な日本語。そして歌詞によってリズムが崩れることがない。
非常にバランスの取れた音楽の世界が出来上がっている。
横に流れる音楽の上を彼の歌声が縦に刻んでいく。
縦と横の音楽。一定のリズムの中で刻み込まれていく言葉。
三浦大知の音楽の世界は、「言葉と音の融合性」の世界だ。どんなリズムになっても決して崩れない音楽は、言葉によって音楽が崩れないことを現している。それはそのまま歌手の表現力とテクニックの高さに直結する。
彼の崩れないリズム感は、ダンスによって体内に培われたもの。
優れたダンサーであるからこその「音と言葉の一体感」だ。
この一体感がこの後に続く「球体」の世界観へと繋がっている。
全く異なる世界観を現しているようで間違いなく「HIT」は「球体」の前哨戦だ。