ジェジュンの唄う「チキンライス」はこの曲の持つ優しさを最大限引き出す歌担っている。

松本人志が作詞し、槇原敬之が作曲、浜田雅功が唄う「チキンライス」は大人になって裕福になった主人公が昔の貧乏暮らしを思い起こして唄う歌だ。
この曲には貧乏だった頃の悲哀とそれを懐かしむ心、そしてチキンライスへの豊かな愛情が込められている。

誰しも食べ物にまつわる思い出を持つ。
特に自分が望んだものを食べられなかった思い出や、苦労して手に入れた食べ物は、その背景の暮らしと共に深く心に刻まれていて、普段はすっかり忘れているのに、その食べ物に出会ったり、その季節になったら、ひょっこり思い出の中から顔を出す。
「チキンライス」はそんな誰しもが持つ心の情景を描く。

ジェジュンは東方神起としてデビューする前に経済的に非常に苦労した苦労した人で、この歌は彼の生い立ちとオーバーラップする部分が多い。
今、経済的に恵まれたポジションを手に入れた彼が唄うからこそ真実味も説得力もあると言えるが、その曲を彼は実に明るくさらっと楽しそうに歌い上げる。
「チキンライスがカバーしたいよ」と呟いた半年後に録音することになるのだから、彼は実現すると知った時はどんな気持ちだっただろうか。

実に嬉しそうにご満悦な表情で唄う彼の「チキンライス」は優しさに溢れた世界だ。
ソフトボイスのビブラートがかかったフェイスボイスで全編が唄われる。
中音域から低音域にかけての彼の声は甘く切ない声になりがちだが、その音色を抑えてフェイスボイスのポジションでサラッと歌っている。
フレーズを縦から切っても横から切っても彼の優しい歌声しか現れない。
そんな曲に仕上がっている。

ジェジュンが唄う「チキンライス」は、曲の持つ優しい一面を引き出したと言える。

韓国人の彼がJPOPを唄う意味がここにも存在すると思った。