映画「KINGDOM」の主題歌である。

ワンオクのTakaの歌声は、以前も聴いたときに思ったのだが、予想に反して軽く明るい。

このグループの音楽をイメージした時、サウンドの重厚感から受ける印象はもっと野太い歌声なのだが、彼の歌声は予想に反してライトで明るい。これがいつも私の期待をいい意味で裏切るのだ。

 

彼の歌声は非常に綺麗で伸びやかだ。

ROCKバンドの場合、重厚感のあるサウンドを作り出すものが多い。この曲もそうだが、非常に音が多重的で厚みを持つ。その厚みに耐えうるだけのエネルギッシュでアクティブな歌声をボーカルが持つというイメージを抱かせるグループが多い(XJAPAN、L’Arc-en-Ciel、氷室など)

しかし、ワンオクの場合、サウンドの持つ重厚感からは予想できないほど、Takaの歌声はライトだ。

その意外感、対象感がこのグループの魅力と言える。

彼がもっと野太い歌声だったら、おそらくここまで若者を中心にファン層を持つことは出来なかっただろう。

この意外感がワンオクのサウンドの魅力と言える。

 

冒頭の英語のフレーズは非常に伸びやかで透明感溢れる歌声だ。

この曲は英語と日本語の歌詞が交錯しており、彼の歌声を聴く限り、英語の方が日本語に比べて格段に歌いやすくいい声をしている。

これは一重に言語的発音ポジションの違いによるものと感じる。

甘く透明的な彼の歌声も持ち味が英語のフレーズでは発音ポジションが固定化する為に綺麗に響いている。

サビの部分では顔の前面からブレスの流れに乗せられた歌声が高く前へと押し出されていくのが特徴的だ。

彼の確かな歌唱力がサウンドの重厚感と対等に存在しており、バランスの取れた音楽を提供している。

スケールの大きさを十分に感じさせる歌声は映画のテーマ曲にピッタリだ。

 

そういえば彼の歌声を余り聴いていないと思った。

メディアに出れない圧力は未だに続いているのだろうか。

この歌声が多くの世代に提供される場所にないことが残念でならないと思った。