たったひとりのアーティスト、たったひとつの曲に出会うことで、人生が変わってしまうことがあります。まさにこの筆者は、たったひとりのアーティストに出会ったことで音楽評論家になりました。音楽には、それだけの力があるのです。歌手の歌声に特化した分析・評論を得意とする音楽評論家、久道りょうが、J-POPのアーティストを毎回取り上げながら、その声、曲、人となり等の魅力についてとことん語る連載です。

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今回は、日本人の父親と韓国人の母親を持つラッパー、ちゃんみなを扱います。彼女は、高校生でデビューをした経歴の持ち主で、独特の音楽のセンスを持つ人です。彼女がデビューしてきた経緯や、その後のグローバルな活躍など、「練馬のビヨンセ」と呼ばれる彼女の魅力について書いていきたいと思います。

生活を一変させた、ラップ音楽との出合い

ちゃんみなは、今年26歳。韓国で生まれました。3歳ごろまで韓国で育ち、その後は父親の仕事の都合で、日本、韓国、アメリカを行き来するような生活を送ったとのこと。

母親がバレリーナだったこともあって、3歳の頃には、バレエやピアノやバイオリンなどを習い、クラシック音楽に馴染む生活だったようです。
小学生の時に日本に戻り、日本の小学校に通いますが、最初は日本語が苦手で、いじめも経験しています。その為か、結構、引きこもった生活をしていたとか。()(

そんな彼女の生活を一変させたのが、10歳のときに見た韓国のBIGBANGのPV『Haru Haru』だったと言います。それがラップ音楽との出合いでした。

「映画1本観たぐらいの衝撃だった」という彼女は、その後、バレエをやめ、ヒップホップダンスを習いに行くようになり、やがて、自分でも歌詞を書くようになります。

高校生になってから、本格的にラップに向き合うようになり、2016年4月、高校生ラッパーの日本一を決めるフリースタイルバトルの甲子園「第9回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」に出場。圧倒的なパフォーマンスを披露し注目されました。

高校在学中の2016 年4月に配信リリースし、 iTunes HIP HOPチャート1位を獲得している『未成年 feat. めっし』を始め、YouTubeの再生回数130万超えの『Princess』のNEWミックス音源などを収録した1stアルバム「未成年」の収録曲『FXXKER』を2017年2月に先行配信し、メジャーデビュー。

作詞作曲だけでなく、トラック制作やダンスの振り付けなどの全てをセルフ・プロデュースするアーティストです。

楽曲『LADY』や『CHOCOLATE』は、iTunes HIP HOP / RAPチャート1位、LINE MUSICで1位を獲得し、『CHOCOLATE』はYouTubeでのMV再生回数が1,500万回を超えています。2018年9月、ワーナーミュージック・ジャパンへ移籍しました。

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2019年には、日本語、英語、韓国語での歌唱に初挑戦した『I’m a Pop』を発売。同年11月には、キャリア初となる東阪ホールツアーを開催したところ、チケットは即完売。

2020年2月、コンセプトEP 『note-book –Me.-』『note-book –u.-』を2作同時に発売し、YouTubeでの総再生回数、TikTokでのハッシュタグ視聴回数は、ともに1億回を超えました。また、2年連続でROCK IN JAPAN、3年連続でSUMMER SONICへの出演など、国内外問わず、同年代から圧倒的な支持を受けています。

音源ラップとフリースタイルラップ

続きはこちらからちゃんみな『日本と韓国、世界を音楽の力強いメッセージで繋いでいくトリリンガルラッパー』(前編)人生を変えるJ-POP[第45回]|青春オンライン (note.com)