FNS歌謡祭のオープニングで、久しぶりに松平健の『マツケンサンバII』を拝見した。

この楽曲はとにかく文句なく楽しく華やかだ。

この曲がヒットしたのは2004年のリリースだから、今から17年以上も前になる。ブームの再燃は東京オリンピックだった。

松平健と言えば、来年は70歳。

俳優とはいえ、軽やかにステップを踏むのは、かなりの努力を要する年代だ。

特に彼は中年以降、身体に肉がつき始め、殺陣は出来ても、軽やかなステップを踏み、歌い踊るということにかけては年々難しかったに違いない。

しかし、今回の彼の姿を拝見すると、見事に復活しているのがわかる。

それはパーソナルジムのCMにもある通り、彼が自分の体と身体能力に正面から向き合い、努力した結果がそのまま現れていると言える。

さらに彼の場合は、身体を鍛えるだけでなく、しっかり歌の部分も鍛え直したのだろう。

すなわち、歌の筋肉は歌うことでしか鍛えられないが、「声を出す」というフォームにおいて、身体能力が戻るということは体幹がしっかりするということに繋がってくる。

インナーマッスルの部分がしっかりしてくると、自ずと声を出す為の筋肉の動きもしっかり戻ってくる。

これは、本当に歌が身体を使う楽器である証拠とも言える理由だ。

身体の筋肉を鍛えていくことで、体幹がしっかりし、声を出すための姿勢を維持する腹筋や背筋がしっかりすると、楽に声を出すことが出来るのだ。

このことを今回の彼の歌や踊りは、証明している。

ここに歌手という職業の強みがある。

すなわち、どんなに衰えてきても、何歳になっても、しっかり鍛え直すことで、声を取り戻すことが出来るからだ。

人間の筋肉は、いくつからでも鍛えることが出来るという証明である。

 

『マツケンサンバII』は文句なく楽しい楽曲で、単純なメロディーと歌詞は、誰でも簡単に口ずさめるものである。

 

FNS歌謡祭の始まりに相応しい1曲だった。