氷川きよしが活動休止前、最後のアルバムとしてリリースしたのは、やはりポップス、バラード、ロックなどが収められたものだった。

彼の生ステージを3年前に初めて拝見して以降、ずっと彼のInstagramを拝見し続けている。

そこには、必ず、彼の言葉が書き添えられている。

特に最近は、心のうちを短いセンテンスで表現する書き込みが多かった。

 

今回、リリーズされたアルバムのMVの楽曲は『魔法にかけられた少女』

アルバムのMVに選ぶ楽曲は、そのアルバムの中で最もアーティストが伝えたいメッセージのものが多い。

即ち、アルバムのコンセプトとも言うべきものを選んでくる。

そういう意味からすると、今回のアルバムは、氷川きよし オリジナル・コレクションVol.03〜ロック&ポップス&バラードの世界〜というタイトル通り、彼の演歌以外の楽曲の集大成的なものとなっている。

この中で、MVとして選んだものが、『魔法にかけられた少女』と『Father』ということになり、この2曲が彼にとっては強く伝えたいものということになるかもしれない。

『魔法をかけられた少女』は多くの記事に書かれているように痛々しい。

しかし、私は彼がこのMVを作成し公開したことに、彼の中にある悲しみを乗り越えた意志の強さを感じる。

 

音楽的には、冒頭の歌声からテクノポップに加工された歌声が被せてあり、幻想の世界を映像だけでなく音響的にも表現している。

また色味のない世界と、直立不動で歌う色彩のある彼の姿を描き出すことで、さらに幻想の世界が儚さの世界であることを現しているように感じる。

数々のInstagramに彼があげてくる画像は、彼が自分の世界をきちんと持っている人であり、そのビジュアル感覚は秀逸であることをイメージさせる。

そこは、Kiinaという、氷川きよしとは全く別の個人が立つ世界でもある。

活動休止を目の前にして、彼の研ぎ澄まされた感覚がさらに鮮明になっていくのを感じさせる。

 

残り1月。

彼が自分の個性を十分に発揮できることを願っている。

数々の雑音や中傷を乗り越えて、彼は自分を表現しきっていく。

 

Kiinaは、その強さを持つ人だと信じている。

 

※氷川さんが紅白に特別枠で出場するということから見えてくる背景や、今後の彼に対する評論家としての期待値の記事は、また後日、有料記事として配信させて頂きます。

有料にするのは、氷川さんの記事に関してのヤフコメの誹謗中傷が酷く、記事を公開することでさらにそれらを誘発することを防ぐ為です。

評論家として、いろいろ感じることがありますので、それらも含めて書かせて頂きます。