NHK「うたコン」に出演したリトグリの新曲『magic』を聴いた。

この楽曲は映画『はい、泳げません』の主題歌で、丸谷マナブ作詞・作曲。

冒頭から軽快なリズムのアップテンポな明るい楽曲でもある。

全体にかれんの歌声を中心に、彼女の歌声の色彩にMAYU、アサヒの歌声の色彩も寄せてきており、やはり統一感のある一曲に仕上がっている。

 

5人で歌っていたグループにとって3人体制が長引くのは正直、しんどくないと言えば嘘になるだろう。

5人のリトグリの特徴は、5人それぞれの歌声が引き立っていたことだ。

それぞれの歌声の色彩がハッキリしており、色と色とのぶつかり合いによって、多重ハーモニーを作り上げていた。

しかし、3人になるとその構造をそのまま持ってくるわけにはいかない。

即ち、根本からハーモニーの構成を考え直す必要が出てくる。

前回の三浦大知振り付けの『Your Name』では歌って踊るという形を提示してきたが、今回は、オーソドックスなメインボーカルを主体したハーモニーというサウンドを提示してきている。

いわゆるメインの歌声を中心としたハーモニーだ。

かれんの歌声をメインに据え、他の2人がしっかりハーモニーを作っていくという形である。

アップテンポな前へ前へと進む今回の楽曲の場合、ポンと耳に突き刺さってくる響きが欲しくなる。そういう意味で、今回の楽曲はかれん向きの楽曲と言えるだろう。

彼女の押し出しと歯切れのいい歌声にMAYUとアサヒのそれぞれの持ち味である歌声が加わることで、綺麗なハーモニーを作り出している。

普通なら、その形で終始するところだが、それでおわらないのがLittle Glee Monsterたるもの。

最後のアカペラで見事に多重的な声の重なりのサウンドを構築してみせた。

 

音の響きの太い線上に3つの歌声が均等に乗り、サウンドの帯を綺麗に作り上げていく。

さすが!

上手い!

思わずそう思った。

 

これだから彼女達の歌声に嵌るのだ。

3人でも綺麗なサウンドの帯を作り上げれるのは、彼女達だけ。

 

やっぱり素晴らしい。