米津玄師の新曲『M八七』は今日公開の映画『シン・ウルトラマン』のテーマソングだ。

ウルトラマンのテーマソングといえば、余りにも有名だ。

「胸につけてるマークは流星〜』で始まる初代ウルトラマンのテーマソング。

正義の味方の象徴であるウルトラマンは、子供達のヒーローであり、それは宇宙の攻撃から地球を守る、という使命を持っている。

子供の声で始まるウルトラマンのテーマに対し、米津の『M八七』はもっと葛藤のある世界だ。

日常に悩み、葛藤を抱えて、それでも前へ進め、と言っている。

宇宙の雄大さは君を見守っている。だから安心して進め、進むことを恐れるな、と。

 

この2つの楽曲に共通しているものは、

「勇気」

前へ進むことを恐れるな、というメッセージだ。

 

一見、子供向けのテーマソングであるかのように見える『ウルトラマン』のテーマソングも根底に流れているのは、前進だ。

米津の『M八七』に描かれている世界は、孤独な青年に向けた宇宙からのメッセージ。

どんな時でも見上げれば星が輝いている。

宇宙がある限り、君を見守っている、

だから恐れることなく前へ進め、勇気を持って進め、というメッセージだ。

 

イントロ無しで始まる歌の作りは、印象的だ。

伸びやかな歌声は彼の持ち味でもある。

この曲では彼の中音域から高音域にかけての伸びやかで濁りのない歌声を聴くことが出来る。

彼の楽曲の作りの中でも『Lemon』など、イントロ無しで始まる楽曲は、いきなり私達をその世界観に引き込むが、その世界観は、彼の歌声があって初めて成立する。

彼の伸びやかで力強い歌声がイントロ無しでいきなり聞こえてくる。

空白の音のない世界にいきなり現れる力強い歌声。

これが米津玄師の魅力だ。

この曲も彼の歌声がグングン、楽曲の中に私達を引き摺り込んでいく。

 

今回の『M八七』は、日常空間の中の心の葛藤を描きながら、音楽は非常に雄大である。

その雄大さに負けないだけの力強い意志を持った歌声で語りかけてくる。

 

どんなに孤独でも、前へ進め、恐れることなく前へ進め。

 

この曲は、人生と闘う人々への応援歌だ。