三浦大知のファンクラブ限定のイベント、TOP10のDAY1、DAY2を観た。
これは2日に渡ってオンラインライブが配信されるというもので、DAY1はオリジナルの楽曲、DAY2はオールカバー曲で構成されている。
事前にぞれぞれの日の曲目のアンケートを取り、ファンの投票によって決まったTOP10を彼が歌うという試みのものだった。
ファンクラブ限定というもので、私もファンクラブの末席にいる会員として、オンエアーを観ることが出来たのだが、ファンにとっては堪らないセトリになったと思う。
コンサートで何を歌うのか、というのは、どんな時でも最大の関心ごとだが、ファンが選んだ曲を歌ってくれる、というのはファンにとってはこの上ない幸せでもある。
多くの楽曲の中から選ばれた曲は、私のようにファン歴の浅い人間には、全てを知っていたとは言えないものでもあったが、そこに流れる彼の音楽の世界観は十二分に伝わってくる。
DAY1は彼の数多いオリジナル曲の中から選ばれた10曲だが、どの曲にも通じるものは、音楽とダンスの一体感。
この一体感が三浦大知の世界観だ。
踊りと音楽が同列で存在している。どちらかに重きがあるものではなく、ダンスも音楽もどちらも譲ることなく厳然と曲の中に立っている。力関係が同等であり、均衡を保っているのが、三浦大知の世界だ。だから、彼の音楽は文句なく楽しい。誰より彼自身がその世界で楽しんでいるからであり、身体全体から、楽しさが溢れ出している。
そして、いつも感じるのは、都会感。
なぜにこの人の音楽には都会感を感じるのだろうかと思う。
それは、音楽とダンスがちょうどの距離感を持って存在しているからであり、その距離感が、客観性となって洗練した世界を提示してくるからだ。
その距離感と客観性がなんとも言えない魅力であり、無駄のない楽しい世界なのである。
その世界観を十二分に伝えたのがDAY1だったように思う。
カバー曲のみを歌ったDAY2の曲目は、少し意外だった。
なぜなら、最近の曲が非常に多かったからだ。
過去に彼がカバーした曲も含まれているが、圧倒的にこの2年ほどの間の楽曲が多かった。
それがちょっと私には意外だった。
この日もファンの投票によって選ばれたTOP10ということで、様々な曲が歌われたが、彼が言ったようにオリジナルをなるべく踏襲する形でのカバーだった。
いわゆる三浦色を出すのではなく、あくまでもオリジナルを再現するという形のカバーは、踊る三浦大知をほぼ封印し、歌唱力で真正面から挑む形になったものが多い。
DAY1のダンスと音楽の一体化の三浦大知ではなく、歌手三浦大知が全面に出ていたのがDAY2だ。
高音域の曲や彼にしては低音域が要求されたり、という曲もあったが、10数曲を歌いきった。
この日の為におそらくかなりの練習を積んだであろうカバー曲は、彼がジャンルを問わず、しっかりと歌えるということを現している。
藤井風の「きらり」やBTSの「Dynamite」は、ダンスパフォーマンスだったが、難なくこなしているのは流石としか言いようがない。
ファンの投票でセトリを決めるという試みは、彼自身がコロナ禍の中で、ずっとインスタを使って配信したスタンスそのものであり、ファンとしっかり向き合って音楽の世界を作り上げていく、一緒に三浦大知の世界を作り上げていく、という形をあらためて示した形になった。
オンラインという限られた空間の中で、思う存分の歌とダンスと、そしてMCを堪能できる二日間は、ファンにとっては至福のひとときであり、三浦大知の世界感を十二分に味わえる時間だった。