井上陽水の夏の代表曲である。

個人的なことを言えば、この曲はコーラスの分野でも夏の代表曲の一つで、多くの人に教えた曲であり、夏の定番曲でもある。余りにも馴染みが深く、かつ大好きな曲の一つでもある。

 

この曲をジェジュンは非常に淡々と歌っている。

オリジナルの井上陽水の歌声が淡々とした中にもエネルギッシュなものを感じさせる歌に対して、ジェジュンの歌はどこまでも淡々としている。

今までのジェジュンの歌と一番違うと感じたのは、サビの部分である。

かつての彼ならサビの部分はもっとエネルギッシュに歌ったのではないかという気がするが、この曲において彼はあくまでも非常に軽く淡々と歌うというスタンスを貫いている。

それが曲との距離感を良い形で生み、非常に軽くポップな曲に仕上げている。

 

今回のアルバムが非常に出来がいいと感じる部分はこういう曲との距離感を彼が表現しているところである。

今までの彼の主観的で主体的な音楽の世界と違い、非常に客観的で距離感のある音楽の世界を彼は淡々と表現しているところからは、彼の中で歌手としての余裕や自信というものが見え隠れする。

 

また歌声は全体にソフトで綺麗な響きが一貫しており、オリジナルキーより若干キーポジションを上げているが、ちょうど彼の中音域から高音域のボイスチェンジのない一番綺麗に響く音域が続いており、軽く歌っているという印象を持たせる。

どこにも力みがなく、サビの部分ですら淡々と歌い上げていく歌い方に、彼の楽曲に対する余裕のようなものを感じさせた。

 

多くの歌手がカバーする中で、彼の提示する「少年時代」はあくまでも淡々と軽く優しいソフトな音色の歌声であるのが、他の歌手のカバーと大きく違うところである。

直線的な歌声の多い中で、彼の歌声だけが曲線を描いている。

 

非常に彼の歌手としての進化を感じさせる一曲になっている。