東方神起7枚目のシングル。2006年8月の発売。

私がこの曲をジェジュンの初期の歌声の重要な曲に選んだのには理由がある。

多くの人は初期のジェジュンの重要な曲と言えば、「Begin」と「Lovin’you」をあげるだろう。しかし、「Begin」はチェストボイスで喉を開ける歌い方の完成形で、その前の「Heart、Mind and Soul」が重要な曲であったのと同様、彼が日本語の歌声(地声よりもかなり細くカスタマイズした歌声)を完全に身につけ使いこなせるようになったのが、この「Sky」だからだ。

この曲の冒頭と一番最後に彼の高音のオブリガードの歌声が入っている。その歌声は非常に伸びがいいのと同時に綺麗な高音を奏でており、非常に伸縮性のある歌声である。

これは韓国時代に歌っていた歌声や高音の出し方とは全く異なり、彼がミックスボイスのフロントボイス唱法を身につけたことを示している。

 

オブリガードの歌声はどれもロングトーンであり、非常に伸びやかだ。

また音色が鼻腔に当たった綺麗なフロントボイスの音色をしている。甘く魅惑的な優しい音色だ。この音色が現在の彼の主流の歌声の音色の基礎になっている。

 

この楽曲で彼はそれほど多くのフレーズを歌っているわけではない。

しかし、伸びやかな彼の歌声で始まり彼の歌声で終わるという楽曲のハーモニー構成は、その後、彼の音色を中心としたハーモニーをこのグループが作るという製作側の意図が十分読み取れる。

編曲の段階で、誰の歌声を主にするのか、誰にメロディーを歌わせるのかという明確なラインがこの曲によって出来上がったと感じる。この曲以降、彼の歌うフレーズは少しずつ増して行き、ほぼソロ曲に近いと言われる「Lovin’you」の楽曲へと進んでいくのである。

 

いつ彼が日本流の発声を完全に自分のものにするのかという点に着目して注意深く各楽曲を聴き取った結果、この「Sky」においてほぼ彼の歌声はそれまでの発声とは異なったものになっているということを発見した。それまでの彼の歌声は、ミックスボイスとチェストボイスを行ったり来たりしながら非常に不安定な歌声になっている。

前出の「Heart、Mind and Soul」でのチェストボイスでのポジション取りが、鼻腔に歌声を当てるポジションの習得に繋がっており、それによってミックスボイスへの変換と安定したポジションの取得に繋がったと感じる。

 

そういう意味で「Sky」は初期の彼の歌声の中で最も重要な曲と言えるだろう。

 

今まで使っていたフロントボイスという呼称は商標登録されていることが判明しましたので、今後は、フロントボイスという名称を使うことにします。