玉置浩二の「メロディー」

この曲のレビューはもう何度書いたことだろう。

彼が玉置本人とコラボした「玉置浩二ショー」の歌唱は圧巻だった。それはこの人が自分の「メロディー」を本人の前で歌ったということが圧巻だったのだ。

 

「メロディー」は玉置本人が「自分の好きなように歌っていい歌」「自分以外の人間が歌うとは思わなかった」というぐらい思い入れの強い歌である。

 

この日のジェジュンの歌声はこの曲も綺麗で濃厚な色合いを奏でている。

非常に丁寧に歌っている曲で、スローなテンポの中で、とても言葉を大切に一言、一言、かき抱くように歌っているのが印象的だ。

音域的には、中・低音域が主流で高音域はサビの部分だけだ。

このサビの部分をこの日は力強く歌っているのが印象に残る。

状態が良い時の中音域の特徴である甘い濃厚な歌声がよく響いている。

非常に充実した良い歌声だ。

彼のカバー曲の強みは、オリジナルの世界観を大切にしながら独自の世界を築き上げているところである。

玉置浩二の透明的な響きと力強い響きの濃淡の世界で過去のセピア色の世界を現したのと違って、ジェジュンの世界は甘く切ない世界だが、そこには哀愁を伴った懐かしさはない。

そこに彼の若さを感じる歌声になっている。

 

 

今回の映像はいずれ発売になるこのライブのDVDの予告映像ともいうべきデモンストレーションの意味合いが大きい。

カバーアルバムの曲は7曲。

どの曲もワンコーラスのみの公開なために、後半のサビの展開部分の歌声を聴くことが出来ない。それゆえにレビューも限定的なものしか書けないというもどかしさがある。

しかし、今までの曲を聴く限り、この日の彼の歌声は状態が良い。

さらにどの曲も非常に集中した良い歌である。

カバー曲を歌うという緊張感が彼に良い意味での緊張感を与えている。

そんな気がした。