「歩きたい」は韓国人歌手チョー・ヨンピルの曲で、日本語歌詞バージョンがある曲だ。

ジェジュンが歌ったのもこの日本語歌詞の方。

彼があげた動画は2014年の11月にグループで日本で行ったコンサートの中で歌われたものの映像だ。

 

この曲は非常にテンポがゆったりとしている。

一つ一つの言葉がゆったりと流れ、それを噛み締めるように彼は歌い紡いでいくのが印象的。

声は全体的に抑え気味で、感情の爆発もなく淡々と歌い綴っていく。

 

サビの部分で歌い飛ばすのではなく、あくまでも自制し、感情がコントロールされた中で、抑えた表現をしているのが、彼のこの歌の歌い方の特徴だ。

 

声は非常にソフトで持ち味の綺麗な響きが中音域を中心に並んでいる。

シャウトも感情の爆発もない為、非常にコントロールされた歌声を全体に使っている。

また押し殺したような響きのフレーズがいくつもあり、感情の高揚感を外に表現するのではなく、内面にむけて表現している歌い方になっている。

 

たっぷりとしたテンポ感の中で、言葉数が多く音符の動きも長音が多いため、非常に表現が難しい曲になっている。即ち、歌手が気持ちの高揚感を持つクライマックスの部分でもゆったりとした音符の動きの曲になっているため、音楽を前へ進めるのが非常に難しい。

僅かに最後のサビからの展開部に於いては、歌い上げていく手法が取られているが、全体には非常に抑えた中で、ゆったりとした音楽の流れを表現する曲になっている。

 

この曲を彼は前半部分から後半にかけて、内面になるべく音を止める形で非常に自制した歌い方をし、最後のサビの展開部で、一気に気持ちの高揚感と共に歌い飛ばしていく。

 

 

主体的で、歌詞の主人公の気持ちに寄り添った彼らしい一体感のある歌い方だが、今の彼が歌えばどんな表現になるのだろう、とふと思った。