コロナの自粛期間中に多くの楽曲が生まれてきている。

アルバムを収録したり、新しい楽曲を作ったり、多くのアーティストが活動できない中で模索を続けている。

この期間に各自がどれだけ音楽に真摯に向き合えたかで、今後の活動の幅が決まるだろう。

 

「ねがいぼし」が七夕の今日から配信されている。

この曲は絢香と三浦大知のコラボによるもので

絢香が三浦大知に送った1本のメロディーだけのデモテープ。

この音源をSNSで公開し、ファンの思いや写真を募り、そこから思いを受け取って歌詞を完成させたものである。

そうやって出来上がった曲が正式に発売された。

 

 

絢香の歌声は以前と比べると大きな特徴は力みが消えたことだ。

透明感のある無色に近い音色で全体のトーンを抑えている。

この音色に三浦大知の甘い歌声が非常にマッチして、二つの音色が綺麗に合わさっている。

逆の見方をすれば、三浦大知が甘い歌声の色彩を与えることで、絢香の歌声を支えているとも言える。

この2つの歌声でこの楽曲を幅のあるものにしている。

 

 

曲調は、全体的にゆったりとしたスローテンポで、一つ一つ言葉を噛み締めるように丁寧に歌い継いでいく。

言葉のタンギング、音程の取り方など、それぞれが意識して相手に合わせようとしている気遣いが感じられ、2つの音がそれぞれに存在しながら、一体感を作り出しているのは、2人の気持ちがピッタリと合っている証拠でもある。

また「ねがいぼし」の言葉通り、人々の願いの気持ちが込められた歌詞になっており、コロナの鬱屈した空気感や殺伐とした空気感を払拭し、丁寧で優しい曲調になっている。

また覚えやすいメロディーになっており、一度聴けば、すぐに口ずさめるものとなっている。

 

絢香と三浦大知の歌声が、織姫と彦星のように、キラキラと天空に輝く二つの星のように存在し、見事な一体感を作り出している。

 

2人の音楽感がピッタリとマッチした秀逸な一曲と言えるだろう。