東方神起時代、ジェジュンにとっていくつかの節目になる曲がある。

この曲もその一つで、初期の頃、彼がまだメインボーカルを取っていない頃の楽曲の中で、彼がメインの数少ない楽曲の代表格とも言えるものである。

 

この頃の彼の歌声は今よりもずっと透明的で無色に近い色合いの歌声をしている。

特にこの曲はチェストボイス(地声)で歌われている楽曲で、それまで「声の出し方がよくわからなかった」と言う彼が、この曲の歌唱を経験することで「やっと歌い方がわかった」と言っている。

この歌声を聴くと、彼の舌根が柔らかくなり、下へしっかり落ちて喉の奥がよく開いて声が響いていることがわかる。

喉の奥がしっかり開くことで、響きが鼻腔に上がりやすくなり、鼻腔に響いた甘い歌声になっている。

伸びのある綺麗な歌声である。

まだ色味のない透明的な音色が彼の若さと声帯が肉体的に完全に成熟しきっていないことを感じさせる。

 

東方神起時代は、彼は年齢的に18歳から23歳頃までになる。

男性の声帯器官の完成は23、4歳頃と言われているので、そういう意味から考えるとこの時期はまだ彼の声帯は成長過程の段階で声が変わっていく時期でもある。この時期にどのような発声を身につけたかがその後の歌手人生の基盤になるとも言え、この頃のどちらかと言えば透明的な音色は、未成熟の声帯の為せる技とも言えるかもしれない。

ただ非常に伸びのある歌声は、ブリージング(呼吸法)がしっかり身についている証拠でもある。このブリージングと舌根を下げて喉の奥をしっかり開けて歌う、という基本的な基盤ができることがこの曲以降の彼の歌声の変化に繋がっていく。

 

彼が現在のミックスボイスを身につけていくまでには、まだしばらく時間がかかる。

初期の頃の歌声の特徴をよく現している楽曲である。