昨日のラジオ番組で6月に発売される彼のポップスアルバムの中の新曲「パピヨン」が披露されたとのこと。教えてくださったファンの方がいて、radikoのタイムフリーで聴いた。
「パピヨン」はロック。
「誰にも止められない」「誰にも縛られない」「私は私で羽ばたくのよ」という歌。
冒頭から非常に明るい音色の歌声が並ぶ。
メロディーは横に流れ、力強い歌声が途切れることなくなだらかな曲線を描きながら言葉が並んでいく。
終始、彼の歌声は同じ音量で固定され、発声ポジションも固定。
展開部に入り、サビへとメロディーが上行系を辿っていく中で、気持ちの高揚と共に歌声もシャウト気味に変化し、音色に混濁が現れる。彼の歌声の特徴である鳴りのいい張りのある歌声がミドルトーンからハイトーンへと移行していく。
全曲が流れたわけではないので、このあと曲がどのように展開され、彼の歌声がどのように変化していくか分からないが、１コーラスを聴いただけの印象は、上記のようなものだった。
6月に発売されるアルバムは、初の全曲ポップスアルバム。全てオリジナル曲で、ボヘミアン・ラプソディの日本語版も収録されているという。
「氷川きよしとしての原点は演歌。でもその前にずっと歌っていたのがロックやポップスだったので、山田清志としての思いを伝えたかったという思いで始まったアルバム」「自分の言えなかった思いを音楽に閉じ込めて歌っている」
彼の歌手としての原点ともいうべき音楽はロックでありポップス。
その原点に戻ったアルバムは、ここから新しい氷川きよしの歩みが始まることを示している。
「音楽に言えない思いを全部閉じ込めた」と言って、ファンに自分で歌詞を書いた曲を含め、全曲がオリジナルのアルバムを提供する。
彼はこんなにも音楽に全身全霊をかけている。
もう新しい場所に彼はいる。
前を向いて歩き続けている。
あとはファンがついていくだけだ。
そんな世界が羨ましかった。
